新社会人や投資初心者に向けて、お金の勉強をするときにぜひ読んでほしい本をおすすめする「お金のおすすめ本」
第2回の今回は、山崎元・大橋弘祐著「超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」です。タイトルからして初心者向けですね。にしても長い。打ち込むのが大変です。ここから先は本書を「難しいことは〜」と表記させてください。
今回も、本の内容についてざっくりレビューをして、個人的におすすめするポイントや、こんな人に読んでほしい!というところもお伝えしていきたいと思っています。
筆者の一言まとめ!
「難しいことはわからない、でもお金を増やしたい。」そんな無理難題?をヤマゲンさんがスパッと解決します。やるべきことは超シンプル!あとはやるだけ!
それだけでなく、いらない保険や資産価値の上がらない不動産、手数料が高い外貨預金など、知らずに生きているとカモにされるサービスや商品についても、しっかり対策しよう!
本書の特徴
会話形式の進行でとにかく読みやすい
本書は、大橋 弘祐(おおはし こうすけ)さんと山崎 元(やまざき はじめ)さんのお二人による著作なのですが、本文が基本的にこのお二人の会話形式で進んできます。
お金関係の本は基本的に小難しい表現や小さい文字で読みにくい、と警戒される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、本作は中学卒業程度の日本語力と15分持続する程度の集中力があれば誰でも読める本だと思います。
15分で読み切れるわけではありませんが、休みつつ繰り返せば大丈夫です。(主観)
専門用語や数字が出てくる話題には丁寧で分かりやすい図解がついています。
さらに、証券口座の開設方法やネット証券の口座で実際に商品を買い付ける方法などは、実際のサイト画面を載せて解説してくれています。
初心者にここまで優しいお金の本も、なかなか多くはないのでは、と感じるほど、「無知なド素人」向けに優しく解説してくれている本だと思います。
「無知なド素人」というのは本書の中で山崎さんが大橋さんに向けて放った名言(暴言?)です。筆者が言っているわけではないので怒らないでください^^;
保険や不動産、年金についても必要な知識が広く載っている
本書のメインはオルカン長期積み立てによる王道的な資産形成についてです。加えて、途中の章では保険や持ち家、年金など普段の生活に関わるお金の話にも言及しています。
知っているようでなかなか知らない、しかし知らないと確実に損をするお金に関する話が盛りだくさん。正直この章だけでも本1冊作れるのでは?というくらい満足度の高い情報を得ることができます。
特に保険や不動産の章を読むと「企業のマーケティングとはこうもエゲつないものなのか」と驚く情報もあるので、ぜひ読んでみることをおすすめいたします。
超改訂版は2023年までの最新情報もしっかりフォロー
今回紹介する「超改訂版 難しいことは〜」は、2015年出版の前作「難しいことは〜」の内容を、現代の制度に情報をアップデートして改訂したものになります。
2024年から始まったNISAや、最新の投資信託に関する情報もしっかりフォローされています。
今から資産形成を始めるには本当にこの本1冊でも十分な情報量になっています。
著者である大橋さんについては、2015年の前作の出版から8年経過した、2023年時点での資産形成の成果も発表されています。
これから資産形成を始めよう、という方には非常に希望が持てる内容になっています。
8年後の大橋さんのイラストがヒゲ面になっているのが、芸が細かくて好きでした^^
ざっくりレビュー
結論:今からネット証券で税制優遇制度活用して無理のない範囲でオルカンを積み立てして放置
本書のタイトル「お金の増やし方教えて下さい!」の答えは、もう最初の目次よりも前に書いてあります。
筆者が購入した本では帯の後ろにも書いてありました。
これでお金の心配はもう必要ない、ということです。みなさん、よかったですね。
はい、やりましょう。
と言われても「本当なのか?」とか「怪しくない?」とか思いますよね。だから本書やその他の書籍で勉強するのが大切なんです。
今はお金に余裕がない人も、100円からでいいので始めてください。その一歩がないと、次の一歩を進めるタイミングは永遠に来ません。しっかり読んで、まずは行動しましょう。
オルカンについてよくわからない方のために、こんな記事も書いてあります!
私は去年からここに書いてあることを本当に実行して資産を200万増やしました。
今は「もっと早くやっておけば…」と思っているので、こうなりたくなければみなさんもさっさとやったほうがいいと断言します。
金融・保険・不動産の業界は基本信用しないほうがいい
著者の1人である山崎さん(通称ヤマゲンさん)は、歯に衣着せぬ物言いで有名な方です。
本書の中でもその毒舌ぶりが遺憾なく発揮されています。
とくに「顧客利益を軽視した商いをしている(と感じる)業界」への毒舌ぶりは凄まじいです。
「投資信託って日本だけでも五千種類以上あるらしいけど、おそらく99%は検討にもあたいしないゴ◯なんだよ」
「やっぱり保険会社の懐に入る実質的な手数料が不透明である以上、入るべきではない!これに反論がある保険会社は保険料をどうやって計算しているか、消費者が中身を比較できるように具体的な商品のデータを見せてほしい!」
「新築の価格の約3割は売る側の経費と利益だと言われている。(中略)売り手が熱心に売ろうとするものを買うと、ろくなことがないね。あはは……。」
ほんとにこんな事書いてあるの?と思いますか?
書いてありますよ。ある意味すごい本ですよね^^
資本主義である以上、企業が自社の利益を追求して企業活動を行うことは当然といえば当然です。
しかし、消費者が企業の利益追求に付き合わされた挙げ句、お金に苦労して楽しく生活できなくなるのはひどい話です。
ただ、現実にはそういったことが当たり前に起きています。
今作では金融・保険・不動産の業界に関して言及されていますが、その他の業界も基本は信用しないスタンスがいいのかもしれません。
2015年の前作から8年、大橋さんの資産運用結果がすごい!
前作が出版されてから8年。著者である大橋さん(ド素人)は「ヤマザキ流 お金の増やし方」を実行して、実際にお金を増やしたようです。
いったいいくら増えたのか?
増やした結果、大橋さんは何を思うのか?
詳細はぜひ本書を手にとってお確かめください。
筆者の推しポイント
毒舌ヤマゲンさんとド素人大橋さんの掛け合いが面白い!
この本はとにかくヤマゲンさんと大橋さんの掛け合いの面白さが素晴らしいです!まるで漫才でも読んでいるのかのように、お金の増やし方を楽しく学ぶことができます!
特に大橋さんの「ド素人」ぶりは、失礼だとは思いつつニヤニヤしてしまいます。
ただ、誰にでも「ド素人」の時代はあります。
大橋さんのことを笑っている筆者も、つい数年前までは大橋さんと同じ状態でした。
大橋さんは本書の中でとても重要な役割をしてくれているので、ニヤニヤしつつも感謝して、読んでもらえると嬉しいなと感じてしまいます。
危ない(?)業界や商品を知ることで、カモにされる危険が減る!
資本主義の世界では利益追求のために顧客を軽視した商いをしている企業や業界も普通にあります。
有名だろうが無名だろうが関係なく、です。「知らないやつが悪いでしょ」と言わんばかりに、相場を大きく逸脱した利率を載せた商品を売る企業。
大した価値もない商品を、セールストークを研修させて何がいいのかもよくわからない顧客に売りつける企業。
そういった業界や商品のカモにされるのは、いつだって不勉強な素人や「自称」中級者です。
本書をきっかけに少しでも多くの人がカモにされない人生を歩めるようになるといいな、と思います。
大橋さんの8年間の運用結果がモチベにつながる!
筆者は大橋さんの運用結果を見たとき、「何が何でも続けてやる!」と、資産形成へのモチベーションが大きく向上したのを今でもよく覚えています。
本当に想像以上の結果でした!
正直申し上げて、大橋さんの運用結果を見て、本書で書かれていることを始めよう、と思わなかった方は、自分のお金を増やすことについては諦めてもらったほうがいいと思います。
そういった方はおそらく資産形成をするより今を楽しく生きていたほうが暮らしの満足度が高いと思います。
それくらい、本書で書かれている内容は、資産形成を目指す人にとっては希望になる内容となっています!
こんな人におすすめ
難しい話がとにかく苦手!という人
本書は本当にシンプルな結論を、分かりやすい図解と解説付きで説明してくれる本です。本書よりも必要十分な内容を簡単に書いてある本は、そう多くはないのではないでしょうか。
難しい話が苦手な方にも、本書は自信を持っておすすめできる本だと思います。
山崎元さんはなんか信用できそう!という人
もともとヤマゲンさんをご存じの方はもちろんですが、この記事を通してヤマゲンさんのことを信用できそうだ、という方には、ぜひ本書を手にとってほしいと思います。
確実に今よりもっと信用できるようになると思います。
ヤマゲンさんは残念ながら2024年1月にがんで帰らぬ人となってしまいましたが、著作を通じて今後も多くの日本人のお金の悩みを解決し続けるのだろう、と確信しています。
カモには絶対にされたくない!という人
お金は増やすだけではなく減らさないことも大切です。企業のマーケティングやセールスに踊らされて、カモにされたくない人にも、とてもおすすめです。
少なくとも金融・保険・不動産関係でカモにされる確率はグッと低くなるでしょう。
以上、お金のおすすめ本「超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」でした。
ご興味を持っていただけた方は、ぜひ一度手にとっていただけると嬉しいです!
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